犬山市の白山平山(はくさんびらやま、標高(ひょうこう)143m)の山頂につくられた、愛知県(あいちけん)で最も古い前方後方墳(ぜんぽうこうほうふん)の一つです。墳丘(ふんきゅう)の全長は72mで、割石(わりいし)を積み上げてつくったたて穴式石室(たてあなしきせきしつ)があります。ここからは、近畿地方の古墳からたくさん出土する三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)などの銅鏡(どうきょう)11点、石製の合子(ごうす、いれもの)2点、石釧(いしくしろ)3点、鍬形石(くわがたいし)1点、車輪石(しゃりんせき)1点、ヒスイ製のまが玉3点、くだ玉137点、鉄の刀9点など、豊富(ほうふ)な遺物(いぶつ)がみつかって、これらはすべて国の重要文化財(じゅうようぶんかざい)に指定されています。これらの副葬品(ふくそうひん)から、この古墳(こふん)は古墳時代(こふんじだい)初めの3世紀末〜4世紀初めにつくられたと考えられています。前方後方墳(ぜんぽうこうほうふん)という古墳(こふん)の形から、濃尾(のうび)平野の北部を治めた王の墓(はか)と考えられ、三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)を持っていることから、ヤマト政権(せいけん)とも深いつながりをもった人物であったことがわかります。
※青文字の用語の解説は、用語集ページへ
古墳のようす
出土した副葬品
東之宮古墳竪穴式石室
現在の様子 | 現地は古墳がそのままのかたちで整備されています。出土品は一括して京都国立博物館に収納、展示されています。また、同じ犬山市にある青塚古墳史跡公園ガイダンス施設でも、東之宮古墳出土遺物のレプリカを観ることができます。 |
---|