1個の石器(せっき)を柄(え)の先につける石槍(いしやり)や石のナイフは、欠けてしまうと新しく作り直さなければなりません。旧石器人(きゅうせっきじん)は、細石刃(さいせきじん)という長さ2cm、幅(はば)5mmほどの小さなカミソリを発明しました。骨などの軸(じく)の両脇(りょうわき)にこのカミソリを埋(う)め込(こ)みます。その石でつくったカミソリの刃(は)が欠(か)ければ、そのカミソリだけをつけかえればよいという画期的(かっきてき)な道具でした。野辺山高原(のべやまこうげん)には、この細かい石器(せっき)を残した大きな遺跡(いせき)が広がっています。またこの遺跡(いせき)は、日本で初めて人々が細石刃(さいせきじん)を使っていることがわかった遺跡(いせき)でもあります。
※青文字の用語の解説は、用語集ページへ
遠景 撮影:吉野俊幸
細石刃を埋めたヤリ先 (模型)撮影:関口昌和
細石刃核(左)と細石刃 撮影:堤 隆
現在の様子 | 遺跡群(いせきぐん)は、JR小海線(こうみせん)「野辺山(のべやま)」駅の南東を流れる矢出川(やでがわ)の両岸(りょうぎし)にひろがっています。現在は、高原野菜(こうげんやさい)の畑地や農場となっているほか、国の史跡に指定された第Ⅰ遺跡(いせき)には、説明板があります |
---|