長野盆地(ながのぼんち)の南東部、千曲川(ちくまがわ)の東側にある山のうえに、5世紀から8世紀につくられた約500基(き)の古墳(こふん)が集まった群集墳(ぐんしゅうふん)です。この古墳群(こふんぐん)の特徴(とくちょう)は、積石塚(つみいしづか)・合掌形石室(がっしょうがたせきしつ)という全国的にも珍(めずら)しい作り方をした古墳(こふん)が集中していることです。積石塚(つみいしづか)とは、土の代わりに石を積み上げて作った古墳(こふん)で、朝鮮半島(ちょうせんはんとう)に多く、日本では珍(めずら)しいものです。大室古墳群(おおむろこふんぐん)の積石塚(つみいしづか)は、日本でみつかった積石塚(つみいしづか)の70~80%を占めています。また、合掌形石室(がっしょうがたせきしつ)は、手のひらを合わせるように石を組んで天井(てんじょう)を作った石室(せきしつ)です。これも朝鮮半島(ちょうせんはんとう)には、似(に)た形がありますが、日本では珍(めずら)しく、全国でも40例ほどしかない特殊(とくしゅ)な石室(せきしつ)です。大室古墳群(おおむろこふんぐん)では、全国の発見例の半数以上にあたる26例がみつかっています。積石塚(つみいしづか)や合掌形石室(がっしょうがたせきしつ)は、朝鮮半島(ちょうせんはんとう)に似ている古墳(こふん)があることから、大室古墳群(おおむろこふんぐん)は、朝鮮半島(ちょうせんはんとう)からの渡来人(とらいじん)が深く関わっていると考えられます。
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大室古墳群の遠景
合掌形石室
全景(積石塚古墳)
現在の様子 | 現在は、23基の古墳(こふん)が整備(せいび)され、「大室古墳館」で出土品(しゅつどひん)が展示(てんじ)されています |
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