松本平野(まつもとへいや)の東南、弘法山(こうぼうやま)と呼ばれる丘(おか)の先端(せんたん)にある前方後方墳(ぜんぽうこうほうふん)です。3世紀の終わりごろに作られた、長野県(ながのけん)でもっとも古い古墳(こふん)の1つです。東日本では、地域(ちいき)で最初に作られる古墳(こふん)が前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)ではなく、前方後方墳(ぜんぽうこうほうふん)であることが多いのです。弘法山古墳(こうぼうやまこふん)は、松本平野(まつもとへいや)をみおろす場所にあり、墳丘(ふんきゅう)は長さ63mです。墳丘(ふんきゅう)には、埴輪(はにわ)はありませんが、葺石(ふきいし)でおおわれています。後方部(こうほうぶ)の中央に、たて穴式石室(たてあなしきせきしつ)のような石を積(つ)んだところがあり、木棺(もっかん)をおさめていたようです。副葬品(ふくそうひん)として、葬(ほうむ)られた人の頭のあたりから鉄(てつ)の斧(おの)が発見されたほか、銅鏡(どうきょう)、青銅(せいどう)の矢じり、鉄(てつ)の矢じり、鉄の剣(けん)、ガラス小玉などがありました。古墳時代(こふんじだい)の早い時期(じき)に、この地域(ちいき)に古墳(こふん)が伝わってきたころの様子を示す重要な古墳です。
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空から見た古墳
後方部の石室位置
出土した ガラス小玉・鏡
現在の様子 | 現在、遺跡(いせき)は松本市(まつもとし)の南西部にはり出す丘陵(きょうりょう)の先端(せんたん)に位置(いち)し、古墳(こふん)の上にのぼると、松本盆地(まつもとぼんち)が見わたせます。また、斜面に4000本ものサクラが咲く花の名所(めいしょ)としても有名です |
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