この遺跡(いせき)近くの石灰岩(せっかいがん)の採石場(さいせきじょう)で、トラなどの獣骨(じゅうこつ)の化石が発見されたことを知った東京大学(とうきょうだいがく)人類学(じんるいがく)教室の鈴木尚教授(すずきひさし きょうじゅ)らは、1962年に根堅遺跡(ねがたいせき)の発掘調査(はっくつちょうさ)を行いました。
石灰岩(せっかいがん)の洞窟(どうくつ)につもった土の、上の方と下の方で人骨(じんこつ)が出土(しゅつど)しました。上層(じょうそう)の人骨(じんこつ)は1万4000年前、下層(かそう)は1万8000年前のものとわかり、「浜北人(はまきたじん)」と名づけられました。上層(じょうそう)の人骨(じんこつ)は20歳代の女性で、身長は143㎝と現代人と比べてかなり低く、縄文人(じょうもんじん)に似た体形(たいけい)だったと考えられています。下層(かそう)の人骨(じんこつ)は、脛(すね)の骨(ほね)だけでした。
「浜北人(はまきたじん)」は、本州(ほんしゅう)で出土(しゅつど)した唯一(ゆいいつ)の旧石器時代(きゅうせっきじだい)の化石人骨(かせきじんこつ)として、人類学(じんるいがく)や考古学(こうこがく)の研究(けんきゅう)の上、非常に貴重(きちょう)な資料(しりょう)となっています。
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全景
出土した人骨(レプリカ)
近景