伊場遺跡(いばいせき)は、弥生時代(やよいじだい)の終わりごろのムラです。この遺跡(いせき)で最も注目されるのは、ムラのまわりをめぐる三重(じゅう)の濠(ほり)の跡(あと)です。濠(ほり)は、幅(はば)は2m~3.5m、深さ約1.5m、長さは400mもある大きなもので、他のムラとの争いそなえて、守りをかためるためにほられたものと考えられています。この濠(ほり)の内側からは、倉庫(そうこ ほったて柱建物)の跡(あと)や方形周溝墓(ほうけいしゅうこうぼ)などが発見されているほか、多数の弥生土器(やよいどき)とともに、うで輪(わ)、青銅(せいどう)製の矢じりなどの青銅製品(せいどうせいひん)やガラス玉なども出土(しゅつど)しています。なかでも、彫刻(ちょうこく)された漆(うるし)ぬりの甲(よろい)は、弥生時代(やよいじだい)に争いがあったことや、美しい甲(よろい)を着ける有力者(ゆうりょくしゃ)がいたことがわかる大切な遺物(いぶつ)です。
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弥生時代の環濠(かんごう)
鰭付弥生土器壷
装飾高坏