鳥取県との境(さかい)に近い、中国山地(ちゅうごくさんち)にある旧石器時代(きゅうせっきじだい)の遺跡(いせき)です。中国地方(ちゅうごくちほう)で初めて、積み重なった土の層(そう)ごとに、石器(せっき)がどのように広がっているかを調べる発掘調査(はっくつちょうさ)が行われた遺跡(いせき)です。2つの時期の石器(せっき)が発見されたほか、調理に使った、焼いた石を集めた場所や、炭のかけらも確認されました。焼いた石は、植物や肉を葉などにくるんで、むし焼(や)きにしたものと思われます。
県の北部の石器(せっき)は、県の南部の瀬戸内側(せとうちがわ)で使われた石器(せっき)とは違って、石英(せきえい)、水晶(すいしょう)、安山岩(あんざんがん)、流紋岩(りゅうもんがん)、黒曜石(こくようせき)など、色とりどりのさまざまな石を用い、その作り方も異なります。なお、鳥取県との境(さかい)の蒜山(ひるぜん)や恩原高原(おんばらこうげん)でも、旧石器時代(きゅうせっきじだい)の遺跡(いせき)がみつかっており、これらの遺跡(いせき)では、約3万年前に鹿児島湾(かごしまわん)にあった火山の噴火による火山灰(かざんばい)が層(そう)になって積もっています(AT火山灰)。この層(そう)を基準(きじゅん)にして、石器(せっき)の年代(ねんだい)がおおよそわかります。
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野原遺跡群早風A地点 全景(ぜんけい)
下の層(古い時期)の石器
上の層(新しい時期)の石器