古墳時代中期(こふんじだいちゅうき)の終わりごろにつくられた全長206mの前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)です。関西(かんさい)の古墳(こふん)は、土を掘(ほ)り、その土を盛(も)って墳丘(ふんきゅう)を作るため、墳丘(ふんきゅう)全体をめぐる濠(ほり)ができますが、岡山県(おかやまけん)の古墳(こふん)は、低い丘(おか)を削(けず)ってつくるものが多いため、全体をめぐる濠(ほり)をもつ古墳(こふん)はほとんどありません。しかし、両宮山古墳(りょうぐさんこふん)は、関西の前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)のように本格的な二重の濠(ほり)をもっています。この古墳(こふん)には埴輪(はにわ)もふき石もないため、だれも埋葬(まいそう)されていないのではないかともいわれる謎(なぞ)の古墳(こふん)です。
なお、両宮山古墳(りょうぐうざんこふん)のまわりにつくられた和田茶臼山古墳(わだちゃうすやまこふん)・森山古墳(もりやまこふん)・廻り山古墳(めぐりやまこふん)などもすべて濠(ほり)をもっています。両宮山古墳(りょうぐうざんこふん)は、造山古墳や作山古墳とは直線距離(きょり)で約25㎞も離(はな)れた東にあるため、別の集団によって造られた古墳(こふん)かもしれません。
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空からみた両宮山古墳(りょうぐうざんこふん)
南につくられた森山古墳(もりやまこふん)
測量図(そくりょうず)と周辺図