宍道湖(しんじこ)に流れる斐伊川(ひいかわ)の中流の丘(標高約194m)でみつかった旧石器時代(きゅうせっきじだい)の遺跡(いせき)です。三瓶山(さんべさん)が噴火(ふんか)して積もった、年代が分かる3つの火山灰(かざんばい)の層(そう)にはさまれて、旧石器時代(きゅうせっきじだい)の石器(せっき)や礫(れき)群、火を焚(た)いた後の炭(すみ)などがみつかっています。火山灰(かざんばい)の年代や石器(せっき)群の特徴(とくちょう)などから、約35000年前から17000年前頃まで、何度も旧石器人(きゅうせっきじだいじん)がやって来ては、生活の跡(あと)を残していった遺跡(いせき)です。
出土品(しゅつどひん)の大部分は、石器(せっき)です。長い間にわたって人が暮(く)らした場所なので、さまざまな石器(せっき)が出ていますが、槍(やり)先やナイフ、皮なめし具などとして使われた道具と、それらを作った時にはがした剥片(はくへん、石を打ち割ったときに出るかけら)や石核(せっかく、剥片をはがした後の残りの石)などがたくさん出てきました。石器(せっき)の材料としては、隠岐(おき)の黒曜石(こくようせき)、広島県(ひろしまけん)冠山(かんむりやま)の安山岩(あんざんがん)、香川県(かがわけん)五色台(ごしきだい)の安山岩(あんざんがん)、松江市玉造(たまつくり)の玉髄(ぎょくずい)などが使われており、当時の人々が広い範囲(はんい)を移動していたことが分かります。
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石器が出ている様(第Ⅲ文化層)
第Ⅲ文化層から出てきた石器
全景
現在の様子 | 現地は、尾原ダム(おばらだむ)のダム湖の下にあるため、普段(ふだん)は見学できませんが、水が減(へ)ると、遺跡(いせき)の姿を見ることができます |
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