海辺(うみべ)につくられた弥生時代(やよいじだい)のムラ。今は、平野が広がっていますが、弥生時代(やよいじだい)には海が入りこんでいて、その入り江のほとりにムラの中心部がありました。住居(たて穴建物)の跡(あと)はみつかっていませんが、倉庫(そうこ/ほったて柱建物)の跡(あと)や数多くの水路(すいろ)がみつかりました。出土品(しゅつどひん)には、土器(どき)や石器(せっき)のほか、腐(くさ)りやすい木や動物の角・骨(ほね)で作られた道具が、とても残りのよい状態でたくさん出土(しゅつど)しました。とくに、木で作った器には美しい形やもようのものが多く、腕(うで)のいい職人(しょくにん)がいたことがわかります。また、たくさんの鉄の道具や、中国製の銅鏡(どうきょう)や中国のお金、朝鮮半島(ちょうせんはんとう)で使われていた土器(どき)など、海を越(こ)えてきた貴重(きちょう)な品もみつかっており、日本海を行きかう船が立ち寄った港として、にぎわっていたと考えられます。
また、この遺跡(いせき)からは、100体分以上の人骨(じんこつ)も出土しており、その中の頭骨(とうこつ)から日本で唯一(ゆいいつ)の「弥生人(やよいじん)の脳(のう)」がみつかりました。鋭(するど)い刃物で傷(きず)つけられた骨(ほね)も多く、当時の戦いの様子を知ることができます。
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空から見た遺跡
木製容器
作業風景