- 遺跡数13,238か所
- 面 積3,691㎢
奈良県(ならけん)は本州の真ん中、海のない県として知られています。大阪(おおさか)や京都(きょうと)といった大都市ととなりあっています。その北部は、米づくりなどに適(てき)した大和盆地(やまとぼんち)で、低い山々にかこまれています。現在でも、県内の人口の9割(わり)が盆地(ぼんち)に集中し、「ヤマト」という日本の国名のはじまりの地としても知られています。南部は山が連(つら)なっており、近畿(きんき)地方で一番高い八経ヶ岳(はっきょうがたけ/1915m)や、日本一雨の多い大台ケ原(おおだいがはら)があり、林業(りんぎょう)が盛(さか)んです。
遺跡(いせき)の特徴としては、旧石器(きゅうせっき)・縄文時代(じょうもんじだい)の遺跡(いせき)は山間部(さんかんぶ)に多く、弥生時代(やよいじだい)・古墳時代(こふんじだい)の遺跡(いせき)は盆地(ぼんち)に集中しています。
また奈良県(ならけん)は、飛鳥時代(あすかじだい)から奈良時代(ならじだい)にかけて、日本の都(みやこ)が置かれ、由緒あるお寺や神社とともに、日本の国の中心地として栄えました。
縄文時代のノコギリクワガタ秋津遺跡(あきついせき)
縄文時代(じょうもんじだい)の終わりごろ、川ベリにたっていた、アカガシ科の木の根からみつかっています。全長はおおよそ6.4cm。よくみると体毛(たいもう)が残っているので、羽化(うか)してすぐに死んでしまった若い個体(こたい)と考えられています。こんなかたちで縄文時代(じょうもんじだい)のノコギリクワガタがみつかるのは珍しいことです。
木製(もくせい)の仮面(かめん)纒向遺跡(まきむくいせき)
遺跡(いせき)の中央にある太田池(おおたいけ)の底でみつかった、古墳時代(こふんじだい)のはじめごろ(3世紀中ごろ)の井戸(いど)のなかに、多くの木製品(もくせいひん)といっしょにすてられていたものです。長さは26cm。眉毛(まゆげ)と目、鼻、口を表現し、手に持って顔につける「仮面(かめん)」と考えられています。アカガシ科の木でつくられた農具(のうぐ)の鍬(くわ)をもう一度加工(かこう)して作られています。お祭りのときに使われたとみてよいでしょう。
金銅製(こんどうせい)鞍(くら)藤ノ木古墳(ふじのきこふん) 国宝
藤ノ木古墳(ふじのきこふん)の副葬品(ふくそうひん)のなかでも、とびきり上等な馬具(ばぐ)のひとつ、鞍(くら)です。この鞍(くら)はわが国で作られたものですが、その金具(かなぐ)には龍(りゅう)、獅子(しし)、鳳凰(ほうおう)、鬼神(きしん)など、さまざまな文様(もんよう)が表(あらわ)されています。その文様(もんよう)のなかに、象(ぞう)がいます。当時、日本列島(れっとう)に象(ぞう)はいませんでしたので、これはデザインとして輸入(ゆにゅう)されたものでしょうが、日本最古(さいこ)の象(ぞう)の絵ということになります。写真:文化庁 所蔵・奈良県立橿原考古学研究所附属博物館 保管