三昧塚古墳(さんまいづかこふん)は、霞ヶ浦(かすみがうら)北部の鎌田川(かまたがわ)の流域(りゅういき)につくられた前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)です。1955年の土取り工事で、古墳(こふん)は大きく削(けず)られましたが、緊急(きんきゅう)に発掘調査(はっくつちょうさ)がおおこなわれ、埋葬施設(まいそうしせつ)や副葬品(ふくそうひん)が明らかとなりました。墳丘(ふんきゅう)の全長は82.1mで、円筒埴輪(えんとうはにわ)のほか、形象埴輪(けいしょうはにわ)もありました。埋葬施設(まいそうしせつ)は後円部で箱式石棺(はこしきせっかん)がみつかっています。この石棺(せっかん)からは、人骨(じんこつ)のほか金銅製(こんどうせい)の冠(かんむり)などの副葬品(ふくそうひん)がたくさん出土(しゅつど)しました。また、石棺(せっかん)の近くには、木製(もくせい)の入れ物があり、そこから武器(ぶき)や馬具(ばぐ)などが出土(しゅつど)しました。墳丘(ふんきゅう)や埋葬施設(まいそうしせつ)、副葬品(ふくそうひん)、埴輪(はにわ)などから、5世紀の中ごろから後半につくられたと考えられています。この古墳(こふん)に葬(ほうむ)られた人は、この地域を治(おさ)めていた有力者と考えられます。
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空からの眺め
墳丘
金銅製馬形付透彫冠 ※「お宝ベスト5」