栃木県

高原山黒曜石原産地遺跡群

たかはらやまこくようせきげんさんちいせきぐん

所在地栃木県矢板市下伊佐野字剣ヶ峯外部リンクGooglemap

主な時代旧石器時代

栃木県(とちぎけん)北部にそびえる高原山(たかはらやま)は、約36万~6.5万年前の火山活動で、石器(せっき)の材料となる黒曜石(こくようせき)をたくさん噴出(ふんしゅつ)しました。標高(ひょうこう)1400mの山頂の近くでは、わが国で約4万年前から始まる旧石器時代(きゅうせっきじだい)に、ここでできた黒曜石(こくようせき)を加工(かこう)して石器(せっき)をつくった遺跡(いせき)が、いくつか発見されています。
その中の1つでは、大型の槍先(やりさき)の未完成品なのですが、10cmをはるかにこえる大型の作りかけの石器(せっき)がたくさんみつかっています。また、県内はもちろん、まわりの県からは、それを完成品に仕上げた槍先(やりさき)がたくさん発見されています。どうやら、当時の人たちは、狩(か)りや植物の採集(さいしゅう)をくり返す移動(いどう)生活のサイクルの中で、食料の確保(かくほ)や石器(せっき)作りのために、いつ、どこに行くのかを決めていたようです。関東地方(かんとうちほう)では、高原山(たかはらやま)のほかに、長野県の和田峠(わだとうげ)のあたり、箱根(はこね)や伊豆諸島(いずしょとう)の柏峠(かしわとうげ)、伊豆(いず)の神津島(こうづじま)の黒曜石(こくようせき)が利用されていることが分かっていましたが、蛍光(けいこう)X線の分析(ぶんせき)によって、遺跡(いせき)で出土(しゅつど)した黒曜石(こくようせき)の産地(さんち)がわかるようになりました。その結果、高原山産(たかはらやまさん)の黒曜石(こくようせき)は、関東(かんとう)から東北地方南部の遺跡(いせき)で発見されますが、とくに多いのは、千葉県(ちばけん)や茨城県(いばらきけん)だとわかりました。最も遠い所では、高原山(たかはらやま)から約200kmも離(はな)れた静岡県三島市(しずおかけんみしまし)の山中城跡(やまなかじょうあと)で出土(しゅつど)しています。

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  • 高原山遠景

    高原山遠景

  • 黒曜石で作られた大型な槍先

    黒曜石で作られた大型な槍先

  • 黒曜石原石出土状況

    黒曜石原石出土状況

現在の様子現地は、山頂付近(標高1400m)にあります。登山ルート(徒歩2時間ほど)ですが、調査地は登山ルートから外れるため、ほぼ見学はできません
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