藤ノ木古墳(ふじのきこふん)は、有名な法隆寺(ほうりゅうじ)の近くにある、古墳時代後期(こふんじだいこうき)につくられた直径50mの円墳(えんぷん)です。全長14mの横穴式石室(よこあなしきせきしつ)のなかに、巨大な石棺(せっかん)がおかれています。石棺(せっかん)はくりぬき式の家形石棺(いえがたせっかん)です。その中には2人が葬(ほうむ)られていました。横穴式石室(よこあなしきせきしつ)の多くは、すでに盗掘(とうくつ)されていますが、この古墳(こふん)は珍しく盗掘(とうくつ)をうけていませんでした。それで、石室(せきしつ)の中にも石棺(せっかん)の中にも、おびただしい副葬品(ふくそうひん)がそのまま残っていました。副葬品(ふくそうひん)は、すばらしいかざりのついた大刀(たち)や、東アジアで最高級品(さいこうきゅうひん)といわれるものをふくむ馬具(ばぐ)3組など、当時としては最高級(さいこうきゅう)のもので、葬(ほうむ)られた2人は大王に近い、身分(みぶん)の高い人物と考えられています。
※写真:(左) 斑鳩町教育委員会 提供/(中)(右) 文化庁 所蔵・奈良県立橿原考古学研究所附属博物館 保管
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全景
金銅製の冠(かんむり)
空勾玉・半球形空玉・梔子玉・空丸玉・有段空玉・耳環(北側被葬者)