田辺湾(たなべわん)の奥(おく)、海の波でけずられてできた洞窟(どうくつ)を利用した古墳時代(こふんじだい)の墓地(ぼち)です。幅(はば)23m、奥行(おくゆき)・高さとも5mの洞窟(どうくつ)に、石室(せきしつ)8、火葬(かそう)をした痕(あと)、特殊(とくしゅ)な埋葬(まいそう)の跡(あと)があり、塩作りの土器(どき)も出土(しゅつど)しました。1号石室(せきしつ)は、成人の骨(ほね)と幼児(ようじ)の骨(ほね)がほうむられ、土師器(はじき)、鉄(てつ)の鉾(ほこ)、鹿角装(ろっかうそう)の剣(けん)、石室(せきしつ)の外には須恵器(すえき)、土師器(はじき)のほか、組み合わせ鹿角製(ろっかくせい)つり針、有孔円板(ゆうこうえんばん)が副葬(ふくそう)されていました。2号石室(せきしつ)には、3人の人骨(じんこつ)が埋葬(まいそう)され、鉄(てつ)の鉾(ほこ)、鉄(てつ)の矢じり2、鉄(てつ)の斧(おの)2、刀子(とうす)3、鉄(てつ)の鎌(かま)2、鉄製(てつせい)のつり針1、組み合わせ式つり針2、糸をつむぐ紡錘車(ぼうすいしゃ)などが出土(しゅつど)しています。3号石室(せきしつ)は、2人がほうむられ、鹿角製(ろっかくせい)のかんざし、鉄(てつ)の矢じり4などが副葬(ふくそう)されていました。このほかにウミガメ、鳥類のアジサシの骨(ほね)がみつかっています。
※青文字の用語の解説は、用語集ページへ