鷹島(たかしま)は、伊万里湾(いまりわん)の入り口にある島です。1281年、中国の元(げん モンゴル)の大軍(たいぐん)の船が日本に攻(せ)めてきた時に、暴風雨(ぼうふうう)にあって、この島の南側で沈(しず)みました。その海底で、元軍(げんぐん)の沈(しず)んだ船や荷物など、数多くのものがみつかっています。発掘調査(はっくつちょうさ)は、海にもぐっておこなわれます。海にかこまれた日本には、このように海や湖の底にも遺跡(いせき)があって、それを調査(ちょうさ)することを「水中考古学(すいちゅうこうこがく)」といいます。この鷹島海底遺跡(たかしまかいていいせき)のある床波(とこなみ)地区の水深(すいしん)約25mの海底で、縄文時代(じょうもんじだい)の土器(どき)や石器(せっき)が約350点出土(しゅつど)しています。出土(しゅつど)した土器(どき)は、古くは約8400年前ごろの縄文時代早期(じょうもんじだいそうき)から前期(ぜんき)にかけてのものが多く、中でも縄文土器(じょうもんどき)には珍しい壺(つぼ)形の土器(どき)が多いのが特徴的(とくちょうてき)です。この時期は、世界的な温暖化(おんだんか)によって海水面が上がった時期でもあり、地殻変動(ちかくへんどう)とともに海の底深くに遺跡(いせき)が沈(しず)んだと考えられています。
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遠景
出土した土器片(どきへん)
海底から引きあげられた遺物(いぶつ)
現在の様子 | 現地は、遺跡(いせき)は海の底にあり、直接見ることはできません。出土(しゅつど)した遺物については、松浦市埋蔵文化財センターに展示しています |
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