壱岐(いき)島の中央部にある長崎県(ながさきけん)最大(さいだい)の前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)で、全長は91mです。墳丘(ふんきゅう)の表面をおおうふき石や、墳丘(ふんきゅう)のまわりをかこむ濠(ほり)は確認(かくにん)されていません。横穴式石室(よこあなしきせきしつ)は、埋葬(まいそう)する部屋が3つあり、石室(せきしつ)の全長は11mもあります。石室(せきしつ)には、船の絵が線でえがかれており、この古墳(こふん)にほうむられた人と海との関係を示す貴重(きちょう)な資料(しちょう)となっています。また、石室(せきしつ)からは、金銅(こんどう)製品(せいひん)、馬具(ばぐ)類、トンボ玉、朝鮮半島(ちょうせんはんとう)の新羅(しらぎ)の土器(どき)など、国際色豊かな遺物(いぶつ)が出土(しゅつど)しており、6世紀の終わりごろに、大陸(たいりく)との交易(こうえき)に重要な役割(やくわり)をはたした有力者(ゆうりょくしゃ)の墓(はか)であったことが考えられています。
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遺跡近景
出土した遺物
石室内部