鬼ノ岩屋古墳群(おにのいわやこふん)は、2つの円墳(えんぷん)からなる古墳群(こふんぐん)です。いずれも、横穴式石室(よこあなしきせきしつ)の壁(かべ)に、色をぬって壁画(へきが)を描(えが)いています。表面をたいらに加工(かこう)した石を積み上げて石室(せきしつ)がつくられ、石屋形(いしやがた)とよばれる、熊本県(くまもとけん)や福岡県(ふくおかけん)に多い石の棺(ひつぎ)が置かれています。1号墳の石室(せきしつ)は、壁(かべ)が赤くぬられ、黄色の顔料(がんりょう)で連続(れんぞく)する山形文(やまがたもん)や靫(ゆき)とよばれる矢を入れる道具などが描(えが)かれています。2号墳(ふん)は、直径37.5mの県内で最大級(さいだいきゅう)の円墳(えんぷん)です。1号墳と同じように、壁(かべ)にかざりのもようが描(えが)かれています。
実相寺古墳群(じっそうじこふんぐん)は、鷹塚古墳(たかつかこふん)を中心として、太郎塚(たろうづか)と次郎塚(じろうづか)と天神畑(てんじんばた)1号墳と2号墳からなる古墳群(こふんぐん)です。鷹塚古墳(たかつかこふん)は、7世紀の初めごろの大分県(おおいたけん)内で唯一(ゆいいつ)となる、1辺約25mの方墳(ほうふん)だったことが、最近の調査(ちょうさ)でわかりました。
この二つの古墳群(こふんぐん)は、6世紀後半から7世紀の初めごろのおよそ50年間に、春木川(はるきがわ)という小さな川をはさんで1kmの場所に、当時としては県内で最大級(さいだいきゅう)の古墳(こふん)を、別々の集団がたて続けにつくったと考えられています。鬼の岩屋古墳群(おにのいわやこふんぐん)は、石室(せきしつ)に壁画(へきが)があることや、棺(ひつぎ)の形などに九州独特(どくとく)の特徴(とくちょう)が見られ、実相寺古墳群(じっそうじこふんぐん)は、古墳(こふん)の形や副葬品(ふくそうひん)などから、ヤマト政権(やまとせいけん)との関係が深い古墳群(こふんぐん)であると考えられています。
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実相寺古墳群
鬼ノ岩屋1号石室内部
鬼ノ岩屋2号墳装飾