葉佐池古墳(はざいけこふん)は、松山平野の北東部の丘の上にある古墳(こふん)です。古墳の形は、約41m×約23mのだ円形で、5基(き)の横穴式石室(よこあなしきせきしつ)がつくられています。これらの石室は、6世紀中ごろにつくられ、7世紀の初めまで次々に人を葬りつづけました。横穴式石室(よこあなしきせきしつ)は、出入りがしやすいので、ほとんどが盗掘(とうくつ)されているのですが、葉佐池古墳の1号石室と2号石室(せきしつ)は、珍しいことにどちらも盗掘されておらず、最後に埋葬(まいそう)された時の姿(すがた)をよく残していました。1号石室(せきしつ)から出土(しゅつど)した人骨(じんこつ)に、日光をこのむハエのさなぎの殻(から)が多量に付いていたことから、亡くなった人は、死後7〜10日間は光が入る場所に置かれていたことが、初めてわかりました。葉佐池古墳(はざいけこふん)は、当時のお葬式(そうしき)の儀礼(ぎれい)を考えるうえで、とても重要な遺跡(いせき)です。
※青文字の用語の解説は、用語集ページへ
葉佐池古墳全景
葉佐池古墳1号石室、復元された埋葬状況
葉佐池古墳1号石室