吉野川ぞいの丘の上に、太鼓塚古墳(たいこづかこふん)と棚塚古墳(たなづかこふん)の2つの古墳(こふん)があります。この2つの古墳(こふん)のことを「段の塚穴(だんのつかあな)」とよんでいます。2つの古墳とも、横穴式石室(よこあなしきせきしつ)をつくっています。その石室(せきしつ)は、長い方の壁(かべ)がまっすぐではなく、太鼓(たいこ)のようにカーブしています。こういう形の石室(せきしつ)は、阿波市から美馬市にかけての地域に独特な石室(せきしつ)で、「段の塚穴型(だんのつかあながた)」とよばれています。太鼓塚古墳(たいこづかこふん)の石室(せきしつ)は13.1mあり、県内の横穴式石室(よこあなしきせきしつ)のなかでも、もっとも大きなものです。この地域には、7世紀後半につくられた郡里廃寺(こおざとはいじ)があり、地方の豪族(ごうぞく)が古墳(こふん)づくりから寺院(じいん)づくりに力をいれるようになったことが分かる重要な遺跡(いせき)です。
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