大渡Ⅱ遺跡(おおわたりにいせき)は、JR北上(きたかみ)線湯田高原(ゆだこうげん)駅の北約1.6km、川ぞいの丘の上にあります。約3万年前、南九州の姶良(あいら)カルデラが噴火(ふんか)した時のAT火山灰が積もった層(そう)の上下から、人間が生活した痕(あと)や、石器(せっき)が集中する場所(ブロック)が、16カ所見つかりました。この火山灰(かざんばい)の下にあった泥炭層(でいたんそう)からは、先がとがらせてある棒(ぼう)のようなものや、焼けこげが見られる枝(えだ)、昆虫の化石なども見つかっています。旧石器時代(きゅうせっきじだい)にも、木でつくった道具があったはずですが、何万年も地中にうもれていると腐(くさ)ってしまうので、なかなか発見されません。「棒(ぼう)のようなのもの」や「焼けこげが見られる枝(えだ)」が、もし人間がつくった木製品(もくせいひん)または道具を作ろうとしていたものだとすると、全国的にも貴重(きちょう)なものです。
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遺跡周辺のようす
見つかった旧石器・彫器(ちょうき)
遺跡の地層
現在の様子 | 現在は、高速道路の建設でけずりとられたため、見学できません |
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