総数130以上の古墳(こふん)からなる、東北地方北部でいちばん大きな古墳群(こふんぐん)です。古墳(こふん)は、直径6~15mの小型の円墳(えんぷん)で、墳丘(ふんきゅう)のまわりに溝(みぞ)をめぐらせ、内部に石を積み上げて石室(せきしつ)を作っています。石室(せきしつ)は、横穴式石室(よこあなしきせきしつ)みたいに見えますが、実際(じっさい)には上から埋葬(まいそう)されたようです。石室(せきしつ)では、副葬品(ふくそうひん)として、メノウ製のまが玉や水晶(すいしょう)製の切子玉(きりこだま)、ガラス玉などからなる首かざりや、蕨手刀(わらびてとう)や鉄の矢じりなどの武器(ぶき)、轡(くつわ)などの馬具(ばぐ)がみつかっています。
まが玉や切子玉(きりこだま)は、山陰(さんいん)地方で作られたものとみられます。また、西アジア産の金層(きんそう)ガラス玉が1点、出土(しゅつど)しました。国内では、西日本の古墳(こふん)から4点しかみつかっておらず、東日本ではこの1点のみというたいへん珍(めずら)しいものです。これらの副葬品(ふくそうひん)から、墓(はか)をつくった東北の有力者達(ゆうりょくしゃたち)の豊かさがうかがえます。
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近景(猫谷地1号墳)
出土した鉄器(五条丸支群)
出土した副葬品(ネックレス)