押出遺跡(おんだしいせき)は、縄文時代前期(じょうもんじだいぜんき)のムラの跡(あと)です。発掘調査(はっくつちょうさ)によって、35軒(けん)の住居(たて穴建物)がみつかりました。遺跡(いせき)のあたりは湿地(しっち)で、地面を掘(ほ)ると水がわくためか、住居は、一般的(いっぱんてき)なたて穴建物ではなく、地面を掘(ほ)りこまない平地式(へいちしき)のほったて柱建物でした。出土品(しゅつどひん)は大量(たいりょう)で、土器(どき)や石器(せっき)のほかに、赤や黒の漆(うるし)を塗(ぬ)った大きな皿(さら)のような器(うつわ)や大きなスプーン、ヘラ、舟をこぐ櫂(かい)などの木製品(もくせいひん)、布(ぬの)の切れはし、食べ残した植物ののこりなど、水気(みずけ)の多い土地だったために、ふつうの土地だと腐(くさ)りやすい木や植物の品がよく残っていました。とくに、土器(どき)や木製品(もくせいひん)に塗(ぬ)られた赤と黒の漆(うるし)の技術(ぎじゅつ)の高さは、注目をあつめました。
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近景
彩漆土器
11号住居跡(東から)
現在の様子 | 現地には説明看板があり、見学できます |
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