黒曜石(こくようせき)は、火山の噴火(ふんか)によって地面(じめん)の近くに吹(ふ)き出したマグマが急に冷(ひ)え固(かた)まってできた天然(てんねん)のガラスです。割(わ)れたところが鋭(するど)くて、割(わ)ってさまざまな形に加工(かこう)しやすいことから、石器(せっき)の材料(ざいりょう)として人気があり、3万年前の旧石器時代(きゅうせっきじだい)からさかんに利用されるようになりました。鷹山遺跡群(たかやまいせきぐん)は、黒曜石(こくようせき)がとれる星糞峠(ほしくそとおげ)の近くに残された遺跡群(いせきぐん)です。1984年の発掘調査(はっくつちょうさ)では、10m四方の範囲(はんい)から7000点を超(こ)える黒曜石(こくようせき)の原石(げんせき)や、打ち割(わ)られたカケラが発見されました。しかし、それらの黒曜石(こくようせき)を調(しら)べたところ、完成(かんせい)した道具はわずか数点しかありませんでした。どうやら原産地(げんさんち)では、拾い集めた黒曜石(こくようせき)で石器(せっき)づくりをおこない、各地(かくち)に持ち出していたようです。
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全景(1984年の発掘調査のようす)
出土した大きな石核(27cm)
隣(となり)の男女倉遺跡(おめぐらいせき)
現在の様子 | 現在、遺跡(いせき)は宅地(たくち)などになり消滅(しょうめつ)しましたが、大部分は畑地となって現状保存(げんじょうほぞん)されています。出土品(しゅつどひん)は、「黒耀石体験ミュージアム」で見ることができます |
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