前田村遺跡(まえだむらいせき)は、つくばエクスプレスのみらい平駅の北約1.3kmの台地の上にあった遺跡(いせき)で、いまは住宅街になっています。14万㎡を発掘調査(はっくつちょうさ)し、縄文時代前期(じょうもんじだいぜんき)から晩期(ばんき)にかけてのムラの跡(あと)がみつかりました。この遺跡(いせき)で注目されるのは、中期(ちゅうき)と後期(こうき)、晩期(ばんき)のムラの跡(あと)です。中期(ちゅうき)のムラは、たて穴建物の跡(あと)が302軒(けん)もみつかりました。中期(ちゅうき)というひとつの時期(じき)だけで、たて穴建物が302軒(けん)もあるのは、茨城県(いばらきけん)で最も多い数です。また、中期(ちゅうき)のムラの近くからは、穴の中に縄文人(じょうもんじん)の全身の人骨が2体分みつかっています。1体は、土器(どき)をかぶせて寝転(ねころ)んだ状態の成人の男性で、もう1体は体育座りをした状態の老人女性でした。後期(こうき)のムラは、47軒(けん)のたて穴建物とたくさんの円形の土坑(どこう)があって、クロダイ・イワシ・ウナギ・コイなどの魚の骨がみつかっていることから、川の河口で漁労(ぎょろう)をおこなっていたと考えられます。晩期(ばんき)のムラは、8軒(けん)のたて穴建物、たくさんの円形の土坑(どこう)があって、完全な形のままの土偶(どぐう)や土版(どばん)などがみつかっています。土偶(どぐう)や土版(どばん)は壊(こわ)れてみつかることが多いので、大変珍しい資料(しりょう)です。
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