相の谷(あいのたに)1号墳は、海に面した湊山(みなとやま)とよばれる山につくられた、古墳時代前期(こふんじだいぜんき)の前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)です。全長約80mは県内最大で、ふき石や埴輪(はにわ)をともない、全長が7mもあるたて穴式石室(たてあなしきせきしつ)がつくられていました。出土(しゅつど)した埴輪(はにわ)は、カケラの数が約4200点もあり、香川県(かがわけん)や徳島県(とくしまけん)の埴輪(はにわ)と共通する作り方をしていることがわかりました。埴輪(はにわ)をつくる人たちの間で、交流があったのですね。石室(せきしつ)からは、銅鏡(どうきょう)が2枚出土(しゅつど)しており、そのうちの1枚は中国で作られた鏡(かがみ)でした。もう1枚は、日本列島でつくった鏡(かがみ)です。相の谷(あいのたに)1号墳は、海を意識してつくられた前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)で、海の交通が難しい所であり、交通の中心であった来島海峡(くるしまかいきょう)から、古墳の姿をながめることができます。
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相の谷1号墳全景
相の谷1号墳出土ダ龍鏡
相の谷1号墳出土円筒埴輪